作業員たちの熱い思い


今回は、時事ネタを元に進めさせていただきたいと思います。

以前、私は建設業種で勤めていたことを明かしました。最近、建設業で大きな問題が起こりましたね。住民の方々もショックでしょうが、それを造るに携わった作業員の方々も相当のショックを受けており、それを知っている私も心を痛めております。今のところ、今回の問題を起こした根源は“工期を守るための焦り”にあると云われています。

工事

日本では、安全を第一とし、その次に“納期の遵守”、品質は最後になってしまっていることが明るみになってしまったということでしょう。(安全第一は理想)

今後の対応については言及する立場にないので、作業にあたられた方々の気持ちと、海外の契約社会(在日米国基地)における納期の考え方について、触れさせていただきます。

1,作業にあたられた方々の気持ち

建設にあたる上で最も必要なものは、“お金”です。そこはいやしくも外すことはできません。そして次に必要なものは、そのお金を受け取る方々の気持ち、すなわちやる気と情熱に頼ることになります。“お金”をケチるとそれなりの情熱や技量を持った作業員(監督員含む)しか集めることができません。お金と技量については、初心者から熟練者まで幅は色々ですが、あまり分け隔てない金額を支払います。建設業は、このごちゃまぜの熟練度のなかで、熟練者が初心者に現場を経験させることで育成を図り、十年後のためのある種の投資をしています。技術の継承とはそのようなものです。その色々な世代が築いたひとつのモノを、完成からあまり間もないうちに「取り壊せ!」と言われるほどムゴいことはありません。私も、自身のミスによる“やり直し”をさせてしまったことが何度かあります。そこには“お金”で済まされない価値を持った何かが失われたことを思い出しました。職人さん、かわいそうに。。。

     2,契約社会における納期について

私が深く関係した工事は、在日米軍基地であり、法治国家の代表格である米国との契約に基づいた工事でありました。すごいページ数の契約書です。A4×1万ページ?、図面が500枚ほどです。

その契約書は、すべてを読み込む必要はなく、関連する工種だけをピックアップができたとすれば、読まないといけないページは1/5以下にすることができます。ピックアップしたページに関しては、徹底的に読み込みます。そこで、法治国家の代表格たる顧客と請負会社における公平性を感じさせる、大好きな規則と条項を”納期”とからめて思い出しながら紹介したいと思います。

・使用資材の承認期間

工事仕様書では、米国の資材でないと対応でき得ない資材が暗に指定されています。もちろん私たちは、使い慣れた日本国内の資材で対応したいわけで、一生懸命、同等品以上であることをアピールする必要があります。ちなみになぜ日本国内の資材を選びたいかというと、

-海上輸送期間を数か月、省くことができ、資材到着の見込みを立てやすい

-海上輸送中のリスク(高波・転覆)などを回避することができる

-米国製品と言っても第三国で製造されていることが多く、品質が悪い

-クレームの対応が遅い

-購買実績がないため、高価格での取引きとなる

-そもそも国内企業に潤ってほしい

主には上記の理由から、それこそグレーな点を目がけて邁進していきます。その中であって、公平性を感じるのは、顧客の承認を得るための書類を受け取った顧客は、1カ月?以内に可否を通達しなければならないということです。そのため私たちは、クリスマス時期などを狙い、慌ただしい顧客の盲点に目を付けたりしますが、これは裏技です。

・工期延長に伴う罰則金

工事中の施設の重要性にもよりますが、納期が遅れると10,000円/日〜300,000円/日の遅延罰則金があらかじめ決められています。逆にいえば、それを顧客に支払ってしまえば、文句を言われる筋合いはありません。実際は、遅延の理由をぶつけ合うことによって、ほとんど示談のような形で治まってしまいます。

・Force Majeure(フォース・マジュール):不可抗力について

不可抗力とは、自然災害や紛争、戦争、ストライキに巻き込まれた時の取り決めです。要は”神のみぞ知る”領域に、誰も責任を取ることはできないとの現れです。私は、これを発動させたことはありません。が、東日本大震災の時には、パニック的に資材の抱え込みが懸念され、遠く離れた場所でも、資材不足が叫ばれました。そういう時こそ、「資材を被災地のために譲る必要がある」とこの条項を盾に顧客に申し出ましたが、却下されました。

在日米軍基地という“思いやり予算”の息がかかっているともとられかねない、特殊な案件ではありますが、理由が通れば納期の優先順位は安全、品質に次ぐ3番目となり、そのために「品質が害されてはならない」という理念のもと、顧客が提示した設計図に現場との差異があった場合は再設計され、それにかかった費用や期間は、施工会社の責任ではないのです。その理念だけでも理解ができており、正しく主張ができていたのなら、品質の維持、また早期のうちに納期遅延の報告につながったのではないかと思います。

これから、オリンピックに向けて工事量が増える時期でもあります。建設業に携わっておられる方々、今回の問題についてはお察しするとともに、大事業を成功に導くための責任は重大です。ひと踏ん張りをお願いいたします。

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